こんにちは!スリーカウント株式会社アカウントマネージャーの野中です。
この記事を読んでいるあなたは、
- リスティング広告で指名キーワードを出稿するのは金の無駄?
- 指名検索しているのだから広告を出さなくてもCVしてくれるのでは?
- SEOで指名は上位だし、リスティング広告を出す必要はある?
- 指名検索のリスティング広告で注意すべきことは?
などなど悩んでらっしゃるのではないでしょうか。
指名キーワードを出稿するべきかするべきでないかは状況によりますが、簡単な方法でその妥当性をチェックすることができます。
指名検索でリスティング広告を出稿する場合に注意してほしい重要なポイントと併せて下記に解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください!
もしリスティング広告の運用に自信がなく外注をお考えの場合は、料金や仕組みなど下記ページが参考になるかと思いますので、ぜひご確認ください。
*少し自己紹介
私たちスリーカウントはリスティング広告の運用において10年以上、500社を超えるお客様を支援しているWEBマーケティング会社です。
これまでの実績を評価され、国内上位3%の証「Googleプレミアパートナー」、静岡県唯一の「Yahoo一つ星代理店」に認定されています。
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では解説に移っていきます。
「指名キーワード」「指名検索」の違いについて
指名キーワードは、自社の社名やブランド、サービス名、店舗名などの固有名詞を指します。
対して一般キーワードは、例えばサッカーや代理店のような多くの商品やサービスに当てはまるキーワードのことを指します。
「指名検索」はそれら指名キーワードをインターネット上で検索することです。
指名検索を行うユーザーは、一般キーワードでの検索ユーザーと比較して、購買意欲が高い傾向にあります。
わざわざ会社名やサービス名で検索するのですから、当然とも言えますね!
インターネット広告の中でもリスティング広告は、購買意欲の高い顕在層にアプローチできる強力な広告手法の一つです。
指名キーワードで検索してるということは、すでにその商品やサービスに関心を抱いていたり、購入を検討している段階のユーザーが多いため、クリック率やコンバージョン率、収益率が高くなる傾向があります。
そのため、自社に関連した指名検索をいかに取り逃がさずに誘導できるかが、とても重要となります。
SEOで上位表示していても指名検索のリスティングは出すべき
「わざわざ指名検索しているのだから、リスティング広告を出さなくてもコンバージョンしてくれるのではないか?」という質問を受けることもあります。
実際にそういったユーザーもいるにはいますし、SEOで上位を獲得している企業様ほど、指名検索は不要ではないかというお気持ちは強くなるかと思います。
ただ、ここで覚えておいてほしいのは、リスティング広告を出す目的は、ユーザーの関心を「最後まで」自社サイトへ向けることだということです。
じつは、ユーザーの関心が目の前の自社サイトから他社サイトに流れてしまうことは、想像以上に簡単に起こりえることなのです。
それは、競合他社の意図的な戦略や、ユーザー心理がマイナスに働くことが原因です。
他社戦略やユーザー心理については次の章で詳しく解説しますが、そのような機会損失のリスクが現状どれくらいあるのかで、指名検索でのリスティング広告出稿の必要性をざっくりと確認することができます。
次の章ではそのチェック方法の詳細と、機会損失のリスクに関して解説していきます!
セルフチェック!指名検索でリスティング広告を出すべき?
現状でどのくらいリスティングの指名検索出稿の必要性があるのかを、下の方法で簡単にチェックできます。
さきほども申し上げたように、指名検索のリスティング広告は、予算に余裕があるならSEOで上位でも出稿することが理想です。
しかし実際は限られたリソースの中で運用するわけですから、無限に予算を配分することは難しいですよね。
指名検索でリスティング広告を出稿するか迷ったときは、下記の方法で現在の機会損失のリスクを簡易的に確認してみましょう!
【指名検索での機会損失リスクが高い状態のチェック項目】
- 指名検索で競合他社のリスティング広告が表示される場合
- 指名検索で名前が似ている他社名・サービス名のリスティング広告が表示される場合
- 指名検索の自然検索部分でヒットしている自社サイトの掲載順位が1位でない場合
これら3つのチェック項目に1つでも当てはまれば、機会損失のリスクありと判断できます。順に詳しく解説していきます。
<競合他社のリスティング広告が表示される場合>
自社に関する指名キーワードで検索した検索結果の画面に、競合他社のリスティング広告が1つでも見られれば、即出稿すべきです。
これは、競合他社が戦略的に行っている可能性が非常に高く、あわよくば他社の顧客を獲得しようという意図を持った掲載であり、顧客が奪われる機会損失のリスクに繋がりかねない状態です。
そもそもリスティング広告の性質上、競合他社が自社の会社名やサービス名のキーワードでも広告を出せてしまうことをご存知でしょうか?
リスティング広告が表示される箇所は自然検索の検索結果よりも上部であるため、そこに他社の広告が掲載されている状態というのは、ユーザーが他社サイトへ流入する直接的な脅威となります。
<名前が似ている他社名やサービス名のリスティング広告が表示される場合>
また指名検索の結果、同名の他社名や同名のサービス名のリスティング広告が表示される場合、リスティング広告を出稿する必要性が高いです。
ユーザーが検索を行うときの心理として、「なるべく楽して必要な情報にたどりつきたい」という気持ちがあります。
そんな中で紛らわしい情報がたくさん表示されると、煩雑な検索結果の中からユーザー自ら探し出すという手間が発生し、検索を諦めるといった機会損失に繋がる原因となります。
<弊社のお客様の事例>
某リフォーム会社様の事例です。
弊社にリスティング広告のご相談をいただいた時点で、こちらのリフォーム会社様には、同じ名前の会社が全国に複数存在していました。そのため、社名で検索しても検索結果上位にサイトが表示されない状況でした。さらにリフォーム会社だけでも同じ名前の企業が国内に複数存在するため、「(社名) リフォーム」で検索しても表示されるのは検索結果の3ページめ。
この状態では、せっかくこのリフォーム会社様のサービスに関心を持ったユーザーが「もっと詳しく知りたい」「WEBから問い合わせをしたい」と指名検索を行っても、サイトが見つからずすぐに諦めてしまいます。(3ページめまで探してくれることはほとんどありません)この取りこぼしは大きな機会損失です。またそれだけでなく、「WEBサイトがないのかな?この会社大丈夫かな?」といったような不信感やネガティブなイメージを抱かれてしまうことさえあり得ます。
そこで弊社から、下記のような提案をさせていただきました。
・自然検索で上位に表示させることを目的に、SEOに取り組むこと。(ただしすぐには結果は出ない)
・上位に表示されるまでの間、指名キーワードで広告を出稿することで機会損失を少しでも抑えること。
この提案はすぐに採用いただき、早速指名キーワードへの広告出稿を開始しました。その後現在に至るまでの2年間で、実際に20件近くのコンバージョンをこの指名検索向け広告から獲得しています。最上位のインプレッションシェア90%以上を維持するのに平均クリック単価100円以下で対応できており、コスパも非常に良いと評価しています。
<自然検索でヒットしている自社サイトの掲載順位が1位でない場合>
指名検索したときに、自然検索部分における自社サイトの順位が1位でない場合も、機会損失のリスクが大きい状態です。
通常、検索結果の上部に自社サイトのコンテンツが増えれば増えるほどサイト流入の優位性をより確実なものにできます。
しかし、自然検索の1位に自社サイトがない状態は、自社より上部に他社のサイトが表示されており、確実なアクセス誘導に大変不利な状態であると言えます。
指名検索におけるリスティング広告の役割は、購買意欲の高い指名検索ユーザーを、「最後まで逃さずに」自社サイトへ導くことだと考えましょう。
<弊社のお客様の事例>
某歯科医院様の事例です。
この歯科医院様は今年新しいブランドを立ち上げ、それに伴い同ブランド専用のWEBサイトを作成・公開しました。ブランドの立ち上げについては様々な媒体で世間に周知をする計画があり、その反響で多くの指名検索が行われることが予想されました。
ところが、サイトが公開されたばかりだったため、指名検索をしても上位に表示がされない状況でした。このままではやはり多くの機会損失が生じてしまうため、お客様と相談し、サイトが上位表示されるまでの間、指名キーワードに広告を出稿することで指名検索の受け皿とすることにしました。
予想していた通り新ブランドの情報公開直後から多くの指名検索が行われましたが、「最上位のインプレッションシェア100%」を目指し運用した結果、それらをほとんど取りこぼすことなくサイト流入に繋げることができました。今ではサイトが上位表示されるようになったため、指名検索向けの広告は役目を果たしたものとして出稿を停止しています。
下記に改めてリスティング広告の役割についてまとめます。
指名検索におけるリスティング広告の役割
一見無駄に思える指名検索のリスティング広告出稿。SEOで上位を取れていても、指名検索でリスティング広告の出稿が必要だと考えられる状況について解説しました。
より一般化して表現すると、指名検索におけるリスティング広告の役割は、
- 検索結果の占有面積を広げること
- 似た名前の他社名やサービス名のページへアクセスが流れるのを防ぐこと
- 競合他社の意図的な広告表示による機会損失を防ぐこと
であると言えます。
検索結果の占有面積を広げる
検索結果の画面の占有面積を広げられることは、自社サイトへのアクセスを促し、ユーザーの流出を防止するのに役立ちます。
ニュースやブログなどのサイトは、魅力的なタイトルのページが多く、興味関心を一時的に奪われて流出するきっかけになります。
確実に自社への流入数を増やすためには、指名検索で広告を表示することも有効な手段と言えます。
リスティング広告と自然検索がいずれも一位表示であれば、スマートフォンやPCの検索結果のファーストビュー(検索後したときにスクロールせずに最初に表示される画面)をほぼ独占することも可能になります。
ここに自社ブランドの説明や商品説明、連絡先等が一覧表示されることで、顕在層の見込み客を確実に自社のホームページに誘導することが可能です。
似た名前の他社名やサービス名のページへアクセスが流れるのを防ぐ
似た名前の他社名やサービス名のページへアクセスを防ぐ目的で出稿されるリスティング広告は、ユーザーの負担を軽減する効果も期待できます。
検索結果から探し出す手間を可能な限り少なくしていくことが、自社サイトへのアクセスを増やして行くことに繋がります。
意図的な競合他社の広告表示による機会損失を防ぐ
前述のように、リスティング広告は、他社の会社名やサービス名でも広告を出すことができます。
リスティング広告が表示される箇所は自然検索の検索結果よりも上部であるため、ユーザーが競合他社のサイトへ流入しないよう、これに対抗して、自社でも広告を出稿することが必要です。
アルゴリズムの変動リスクを回避する
Google検索では年に数回、大型のアップデートが実施されており、中でも以下のアップデートは多くの企業やホームページのSEOに大きな影響を与えました。
2015年7月 パンダアップデート
アフィリエイト系やペライチ系のサイトを中心に検索結果が変動した
2017年12月 健康アップデート
キュレーション系や医療情報を扱うサイトを中心に検索結果が変動した
2019年10月 BERTアップデート
個人ブログや個人事業主などを扱うサイトを中心に検索結果が変動した
2021年11月 コアウェブバイタルアップデート
個人・法人問わずメディア系サイトの検索結果が変動した
指名検索に頼った集客を行っている場合、こういったアルゴリズムの変動を受けた際に、アクセスが激減して売上が落ちてしまうというリスクを抱えています。
こうしたアルゴリズムの影響を回避する方法としてリスティング広告は有効な手段となります。
リスティング広告はアルゴリズムの変動の影響受けないため、仮に変動によって自社のホームページが表示されにくい状況に陥ったとしても、リスティング広告からのアクセスを確保することが可能です。
ここまでリスティング広告自体の解説をしてきました。
もし指名検索でリスティング広告を出稿する場合は、気をつけてほしいポイントがあります。
最後に、指名検索でリスティング広告を出して運用していく上で最低限気をつけてほしいキャンペーン構成の解説をします。
2019年から2020年にかけて大手家具通販サイトのロウヤのECストアをそのままコピーした偽サイトが大幅値引きで商品を販売し、購入者には商品が届かないといった問題がニュースなどでも大きく報じられました。
近年は、こうした有名なサービスや通販サイトなどが詐欺サイトに利用される事態も広がっています。
指名キーワードによるリスティング広告を出稿することで、偽サイトの取り下げ申請がスムーズに行えたり、事前に商標登録したキーワードを他社が出稿できなくするといった申請を行うことも可能です。
指名キーワードでリスティング広告を出稿するときの注意点
もし指名キーワードでリスティング広告を出稿するなら、一般と指名でキャンペーンを分けることをおすすめします。
理由は、一般キーワードと指名キーワードを同じキャンペーンにしてしまうと、予算消化の調整が難しかったり、効果測定が正確にできなくなってしまう場合があるからです。
一般キーワードと指名キーワードでは、性質やユーザーの状況が異なります。
指名キーワードは、一般キーワードと比べて
- クリック率(CTR)が高くなりやすい
- コンバージョン率(CVR)が高くなりやすい
- クリック単価(CPC)を抑えやすい
- コンバージョン単価(CPA)を抑えやすい
などの特徴があります。
一般キーワードと比べてパフォーマンスが良くなる傾向があり、同じ枠での予算管理を行ってしまうと、一般キーワードにばかり予算を消化してしまうという事態がよく起こります。
これではせっかくパフォーマンスの良い指名キーワードの配信量を確保できず、もったいないですよね。
また、一般キーワードのキャンペーンでは指名キーワードの除外登録をしておくと正確な効果測定をしやすいです。
除外登録をすることにより、一般キーワードのキャンペーン内で指名キーワードの掛け合わせが混在してしまう、という事態を防ぐことができます。
大手企業の指名検索によるリスティング広告の出稿事例
誰もが知っている有名なブランド名や企業名、サービス名は、その知名度の大きさから仮に完全一致で広告を出稿したとしても非常に多くのクリックが見込まれるため、膨大な費用が発生する可能性があります。
それでも数多くのブランドが指名検索によるリスティング広告を出稿しています。その一例を見てみましょう。
こうした大手ブランドの指名検索はいずれも30万回/月(弊社調べ)にも及び、クリック率が10%、クリック単価が100円だとしても3,000万円/月ほどの費用がかかる計算になります。
こうした大手ブランドは広告出稿を行わずとも自然検索の検索結果は1位をキープしている事がほとんどです。
ではなぜ莫大な費用をかけてまで大手ブランドも指名キーワードで出稿するのでしょうか。
その理由は公表されていないため推測するしかありませんが、①ブランド価値を守るため、②機会損失を防ぐため、③自社の製品やサービスの認知拡大、といった理由が考えられます。
ブランド価値については先程もご説明したとおり、自社の持つブランドイメージや製品イメージを守るためだと考えられます。
機会損失については。例えば自然検索だけに頼っていた場合、どのページが検索結果に表示されるのかについてブランド側からはコントロールすることができません。
最もコンバージョンが見込めるページが急に検索結果に出てこなくなり、ECの売上や来店数が落ちていくといったこともあり得るのです。
また新しいサービスや商品を発売した際に、画像や説明文をタイトルに持ってきたりすることで、一層の認知拡大と新規顧客の開拓に繋げたいという意図もあるかもしれません。
例えばマクドナルドでは、普段はリスティング広告を出稿していませんが、月見バーガーなど限定商品を発売するタイミングに合わせて期間限定で指名検索で広告を出稿しています。
指名検索のリスティング広告の使い方については、同業種の大手企業や有名ブランドの戦略などもぜひ参考にしてみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回の記事では指名検索におけるリスティング広告の必要性のチェック方法と、運用上の注意点などを解説しました。
指名キーワードでの出稿の必要性をぜひセルフチェックしていただき、リスティング広告への予算配分の妥当性検証や運用方針の決定にお役立ていただければと思います。
リスティング広告に限らず、インターネット広告全般、効率よく運用するためには膨大な経験と知識が必要です。
もし自社での運用に不安がある場合は、毎月3社様限定の30分無料コンサルティングも行っておりますので、ぜひこの機会にご活用いただければと思います!