Google広告を活用することで、YouTubeに動画広告を配信できます。膨大な数のユーザーが利用するYouTubeは広告媒体としても注目されており、認知拡大やユーザーの獲得に効果的です。
この記事では、YouTube広告の種類と特徴、出稿方法、運用のポイントを解説します。これからYouTube広告の出稿を考えている方は参考にしてみてください。
【この記事でわかること】
・YouTube広告の種類や費用目安
・YouTube広告の出稿方法
・YouTube広告の効果を高めるポイント
Google広告のYouTube広告とは
画像引用:動画広告: 動画でビジネス拡大 – Google 広告
YouTube広告とは、その名の通りYouTubeで配信できる動画広告のことです。YouTubeで動画を視聴しているユーザーに向けて、Google広告経由で広告の配信ができます。
YouTube広告などの動画広告は、テキストよりも一度に伝えられる情報量が多いことがメリットです。ユーザーは商品やサービスについてよりイメージしやすく、購買意欲を高めることができます。
また、YouTubeは全世界の月間アクティブユーザー数が24億9100万と、利用者が多いことも特徴です。日本国内だけでも7,860万の利用者がいることから、認知拡大のための広告媒体としても効果的です。(2024年1月現在)
YouTube広告の種類
YouTube広告には下記の5種類があり、それぞれ特徴や用途が異なります。
・スキップ可能なインストリーム広告
・スキップ不可のインストリーム広告
・バンパー広告
・マストヘッド広告
・インフィード動画広告
・アウトストリーム広告
YouTube広告の効果を最大化するためには、自社の目的や課題に合わせた広告選びが大切です。ここでは5種類のYouTube広告について詳しく解説します。
スキップ可能なインストリーム広告
画像引用:スキップ可能なインストリーム広告 – Google 広告 ヘルプ
スキップ可能なインストリーム広告は、動画の再生前後や途中に流れる動画広告で5秒間再生されるとスキップできる広告です。ユーザーに与える不快感は少ないものの、広告に興味がない場合はスキップされる可能性があります。
30秒以上の動画視聴や30秒以内の途中操作によって課金され、興味関心のあるユーザーに費用が発生することから、販売促進・見込み顧客の獲得など幅広い目的で利用できます。
スキップ不可のインストリーム広告
画像引用:スキップ不可のインストリーム広告 – Google 広告 ヘルプ
スキップ不可のインストリーム広告は、動画の前後や途中に流れるスキップができない15秒以内の動画広告です。スキップ可能なインストリーム広告に比べて長時間広告を見てもらえるため、ブランドの認知度向上やリーチの拡大に活用できます。
一方、ユーザーにとって興味のない広告だった場合の不快感やストレスが大きく、ブランドイメージを損ねる可能性もあります。そのため、商品(サービス)の理解促進、ターゲット層への認知・リーチ拡大として利用する方法が最適です。
バンパー広告
画像引用:動画広告フォーマットの概要 – YouTube ヘルプ
バンパー広告は、他の動画の再生前後や再生中に流れる6秒以下の短い広告です。スキップできないものの動画自体が短いので最後まで見てもらえる可能性が高く、ユーザーに与える不快感やストレスが小さいことも特徴です。
また、動画自体を短く簡潔にまとめる必要があるためユーザーの印象に残りやすく、見込み顧客の創出にも活用されます。
マストヘッド広告
画像引用:YouTube マストヘッド – Google 広告 ヘルプ
マストヘッド広告は、Youtubeのトップページ上部に表示される広告です。自動で音声の無い動画が再生されるため、広範囲へのリーチが期待でき、新しい商品やサービスの認知度を高めたい時や短期間で多くのユーザーに表示したい時に有効です。
トップページに広告が表示されるので影響力や効果が大きいものの、コストがかかりやすく再生枠も予約制になっています。
インフィード動画広告
画像引用:インフィード動画広告 – Google 広告 ヘルプ
インフィード動画広告は、YouTubeのトップページや検索結果、関連動画の横に表示される広告です。ほかの動画コンテンツと同じ形式で表示されるため、広告感が薄く、自然に自社の商品やサービスをアピールできます。
費用はユーザーがクリックして視聴、または動画が10秒以上自動再生されると発生します。ユーザーが視聴している動画に関連して広告を出せることから、商品やサービスに興味を持つユーザーに対して訴求しやすいことが特徴です。
アウトストリーム広告
画像引用:動画広告フォーマットの概要 – YouTube ヘルプ
アウトストリーム広告はYouTube広告の一種ですが、YouTubeではなくGoogle動画パートナーのディスプレイに表示されるモバイル専用広告です。たとえばWebサイトやSNS、アプリ内の広告枠に動画を配信できます。
アウトストリーム広告を活用することで、Google以外のお気に入りのサイトをブラウジングしているユーザーに認知してもらえる可能性があります。広告費用は動画が2秒以上再生されると発生する仕組みです。
YouTube広告の出し方
YouTubeに広告を流すためには、以下の4つの準備が必要です。
1.YouTubeとGoogle広告のアカウントを作成
2.広告用の動画をYouTubeにアップロード
3.Google広告で動画キャンペーンを作成
4.審査を申し込む
ここでは、それぞれの手順について紹介します。
YouTubeとGoogle広告のアカウントを作成
YouTube広告を配信するためには、YouTubeのアカウントとGoogle広告アカウントがそれぞれ必要です。まずはそれぞれのサイトにアクセスし、案内に沿ってアカウントを用意します。
下記はYouTubeのアカウントの作成手順です。詳細の手順はPCとスマートフォンでそれぞれ異なります。
【PCの場合】
1.YouTubeを開く
2.画面右上にある[ログイン]をクリック
3.[アカウントを作成]をクリック
4.[自分用]または[ビジネスの管理用]を選択
【スマートフォンの場合】
1.YouTubeアプリを開く
2.画面右上のプロフィール写真をタップ
3.[ログイン]をタップ
4.[アカウントを追加]をタップ
YouTubeのアカウントの作成が完了したら、次にGoogle広告のアカウントを作成します。作成の手順は以下の通りです。
1.Google広告の公式HPにアクセス
2.ビジネス情報を追加
3.最初のキャンペーンを作成
4.支払い情報を設定
Google広告のアカウント作成の手順は、以下の記事で詳しくご紹介しています。あわせて参考にしてください。
【関連記事】
>>Google広告アカウントの作成方法とは?開設や広告作成の流れを解説
広告用の動画をYouTubeにアップロード
広告に載せる動画はYouTubeにアップロードする必要があります。アップロードの手順は以下の通りです。
1.YouTubeの画面右上にあるカメラマークをクリック
2.「動画をアップロード」をクリック
3.アップロードする動画ファイルを選択、またはドラッグ&ドロップ
その後は設定画面で動画のタイトルや説明内容を入力します。
Google広告で動画キャンペーンを作成
YouTube広告はGoogle広告で管理するため、Google広告から動画キャンペーンを作成します。まずはGoogle広告へログインし、サイドメニュー[キャンペーン]⇒[キャンペーン]から[+]マークをクリックしてください。次に[新しいキャンペーンを作成]を選択します。
するとキャンペーン目標の画面に遷移するため、[ブランド認知度と比較検討]または[目標を指定せずにキャンペーンを作成する]から[動画]を選択してください。
動画広告の出稿に必要な項目が表示されるため、それぞれ設定していきます。設定が必要な項目は下記の通りです。
■キャンペーン設定
– キャンペーン名
– 入札戦略
– 予算と日程
– ネットワーク
– 地域
– 言語
– 関連動画
– マルチフォーマット広告
■広告グループ
– 広告グループ名
– 人数:ユーザー属性・オーディエンスセグメント
– コンテンツ:キーワード・トピック・プレースメント
■広告
■入札単価
キャンペーンの設定方法については以下の記事で解説しています。こちらも併せて確認してみてください。
【関連記事】
>>Google広告キャンペーンでできることは?種類や作成方法も紹介
審査を申し込む
動画キャンペーンの作成を終えたら、Google広告のポリシーに反していないか審査を申し込みます。審査は1日程度かかり、承認されるとYouTubeに広告動画を掲載できるようになります。
YouTube広告の費用目安
YouTube広告の枠はオークション形式で決まります。動画の種類によって広告費用の発生要件や金額が異なるため、料金が変動しやすいことが特徴です。広告ごとの費用目安は以下の通りです。
種類 | 課金方式 | 単価・料金の相場 |
---|---|---|
スキップ可能なインストリーム広告 | 動画視聴1回ごとに課金(CPV) | 1視聴あたり2~30円程度 |
スキップ不可のインストリーム広告 | 1,000回表示されるごとに課金(CPM) | 1,000回表示あたり400~800円程度 |
バンパー広告 | 1,000回表示されるごとに課金(CPM) | 1,000回表示あたり200~600円程度 |
マストヘッド広告 | 日別の単価または視聴回数に応じて課金 | 1日あたり数百万円 |
インフィード動画広告 | クリックされるごとに課金(CPC) | 1クリックあたり5~20円程度 |
アウトストリーム広告 | 1,000回表示されるごとに課金(CPM) ※広告の表示面積の50%が2秒以上表示されると1回表示とカウント |
1,000回表示あたりの10〜500円程度 |
YouTube広告にかかる費用は、Google広告のリーチプランナーを使うことでシミュレーションができます。また、広告の予算上限を設定することで広告配信による予算超過を防ぐことも可能です。
YouTube広告の効果を最大化するには
YouTube広告の効果を最大化するには、GoogleのABCDフレームワークの活用や動画視聴データの分析やチューニングといった方法があげられます。それぞれのやり方について見ていきましょう。
ターゲティングを最適化する
YouTube広告のターゲティングには、ユーザーの属性で定める「オーディエンスターゲティング」と広告の表示場所で定める「コンテンツターゲティング」の2種類があります。
オーディエンスターゲティングは、年齢や性別、配偶者の有無、興味関心など主にユーザーに対する設定が可能です。
一方、コンテンツターゲティングは、主に動画広告の配信場所を設定できます。たとえば、特定のトピックやキーワードを設定すれば、関連性の高いサイトに広告を表示することも可能です。ほかにも広告を表示させたいチャンネルや動画、サイトを指定することもできます。
広告の効果が感じられないのであれば、ターゲティングが上手くいっていない可能性が考えられます。まずはターゲティングの設定から見直しましょう。
GoogleのABCDフレームワークを活用
GoogleのABCDフレームワークは、広告効果を高めるノウハウがまとめられたフレームワークです。このフレームワークには以下の4つの要素が含まれます。
・Attention(注目を引く):初めの数秒で視聴者の興味関心を引く。
・Branding(ブランドを確立する):視聴者にブランドを認識してもらう。
・Connection(つながりを作る):視聴者の感情に訴えかけ、つながりを生み出す。
・Direction(行動を促す):視聴者に具体的なアクションを促す。
Googleでは、ABCDフレームワークに沿った動画は、意識しない動画と比べて売り上げへの貢献度が短期的に30%以上、長期的に17%以上高いという計測結果を発表しています。YouTube広告で効率的な集客を行うためには、フレームワークに沿った動画作成を心がけましょう。
最初の5秒で印象づける
YouTube広告は最初の5秒間広告をスキップできないため、5秒の間にインパクトのある映像や商品の魅力が伝わる内容を盛り込むと、視聴者を惹きつけることができます。
要点を絞って短い動画にまとめる必要はありますが、広告をスキップせずに見てもらいやすく、たとえ広告がスキップされても認知される可能性が期待できます。YouTube広告を配信する際は、短時間で何を伝えたいのかを意識しましょう。
動画の視聴データを分析しチューニングする
YouTube広告の効果を高めるためには、視聴データを分析しユーザーに視聴してもらうための戦略や、伝えたい内容を定期的に見直すことが大切です。
視聴者が広告をどこまで見ているのか、どこで離脱しているのかはYouTubeアナリティクスの視聴者維持率レポートで確認できます。もし離脱が多い箇所があれば、動画の内容を見直すことで広告の改善が図れるでしょう。
このように広告配信した後も定期的にデータを取得し、改善のPDCAサイクルを回しましょう。
YouTube広告に関するよくある疑問
ここではYouTube広告に関するよくある質問と、その回答を紹介します。Googleアカウントとのリンクや広告審査、広告の効果など、YouTube広告を運用するうえで気になる内容をまとめました。
YouTubeチャンネルとGoogle広告アカウントはリンクさせた方が良い?
YouTubeチャンネルとGoogle広告アカウントをリンクさせることで、YouTube広告の視聴回数や視聴率、クリック数、エンゲージメント、平均広告視聴単価といったデータの収集や確認ができるようになります。
ほかにもYouTube広告の視聴や高評価をしたユーザーに対して、訴求を変更して再度広告を配信できる点もメリットです。
Google広告アカウントとのリンクはYouTubeチャンネルから設定を行い、その後Google広告からリクエストを承認して完了です。
Google広告の審査で落ちることはあるの?
申請した広告がGoogle広告のポリシーに違反していると、不承認となる場合があります。不承認になった場合は、Googoleアカウント内のステータス列より不認証の理由を確認し、広告を修正したうえで再度審査へ申し込んでください。
Googleの審査結果に誤りがあると考えられる場合は再審査を依頼することもできます。その際は再度不承認にならないように広告の内容とポリシーを照らし合わせてから申請しましょう。
YouTube広告が逆効果になることはあるの?
YouTube広告が逆効果になり、企業のイメージダウンにつながるケースがあります。たとえば、インストリーム広告やバンパー広告は動画本編を遮って再生されるため、広告に興味の無いユーザーから不満をもたれるリスクが考えられます。
YouTube広告を配信する際は、相手に不快感を与えないような内容を心がけ、興味のあるユーザーに届くようにターゲットの設定を行いましょう。
YouTube広告の種類と出し方まとめ
YouTubeの広告は課題や目的に合わせて配信先を設定できます。インストリーム広告は認知拡大、バンパー広告は印象づけ、マストヘッド広告はリーチ獲得など、目的に応じて使い分けましょう。
広告の効果を高めるためには、自社の商品やサービスの特性を踏まえてユーザーにどのようにアプローチをしたいのかを明確にすることも大切です。広告の種類だけでなく、動画の内容やターゲティング、配信期間なども適切に設定しましょう。
YouTube広告は短時間で自社の魅力を伝える有効な手段ですが、運用までに時間がかかりやすくリソースも必要です。また、配信後の効果測定や改善に向けたアクションも求められます。自社での広告運用が難しいのであれば、専門の業者への依頼も検討しましょう。
スリーカウントでは、Webマーケティングの知見を活かして貴社に適切な広告運用をご提案します。具体的な戦略や予算の相談も承りますので、広告の運用でお悩みの方は、お気軽にスリーカウントまでご相談ください。